過労死寸前なのは私だ。特集から思うこと。

今、電通の新入社員が過労・うつで自殺したニュースが毎日のように報道されている。ニュース番組ではあたかも電通の「鬼十則」や社内の体質に問題があったかのように報道しているが、電通だけの問題ではない。これは、日本の企業のすべてにいえる普遍的な社会問題なのである。もちろんニュースを作っている側だってそんなことはわかっているのだろうが、今は電通を名指しして叩くしかない。この問題を大きく取り上げることで、多くの企業が自身の体質を見直し、たくさんの労働者が自分の働き方を考えるよい機会であると思っている。

今回、AERAの特集もこのニュースを受けた特集で、多くの紙面を電通の企業体質を扱っているが、私が非常に機になったのは「あなたも誰かを追い詰めている 『過剰品質』大国意ニッポンの死角」という特集である。ここでは宅配会社の時間指定配達のサービスを例に挙げている。時間指定のサービスがあることによって、「午後8-9時」の時間帯に配達が重なってしまったり、また別の時間でもその時間内に届けるために近くで待機しなければならないなど、効率よく回ることができなくなっているのだという。

また、時間指定がされているにもかかわらず結果不在、時にはエレベータのないアパートの5階まで重い荷物を運んだうえ、不在であったという例もあったという。私たち消費者は、日本の「すばらしいサービス」の裏に私たちと同じ人間が存在しているということを忘れていないだろうか。

24時間営業のコンビニエンスストアがある裏では、深夜に働かなければならない労働者がいること、頼んだ荷物が翌日に届く(当日中というものまで出てきた)サービスの裏には、夜間にも自分の荷物を運んでくれている人がいるのだということ、それに何より、その人たちにも自身が大切にするべき時間があるのだということを忘れていないだろうか。

相手の時間を奪ってまで、自分の要求を満たそうとしているサービスの利用者側にも問題があるのだ、とこの記事はうたっている。自分にも心当たりがあるだけに、大きくうなずいてしまった。そして、これまで何度か頼んできた飲料配達のサービスのお兄さんの声(時間指定配達を頼んだのに仕事が長引き、時間に帰宅することができず配達員から電話がかかってきてしまったことがある)を思い出し、自責の念にとらわれた。お兄さん、ごめんなさい。

外国では、正月や日曜は休みの店舗が多い。自分も中国への留学経験があるが、旧正月の時期に多少買い物ができなくてもなんということはなかった。みんな休みだということがわかっているから、心の準備をしておくことができるのだ。そこには、労働者の生活を想像する心がある。日本だって、少し前までは正月前には買い物をすませておくのが習慣だったはずだ。

それぞれの家庭生活、プライベートも大切に生きてきた民族なのだ。お客様は神様とはよく言ったものだが、働いてサービスを提供してくれている人々だって同じ人間、お客様だけが神様ではないのだということを念頭にこれからは生活していきたいと思う。